後期研修医募集(研修医・学生の方へ)
小児心臓外科の特徴
小児心臓外科は先天性心疾患患児(成人を含む)を対象に外科的治療を行う診療科です。対象は新生児から成人までと幅広く、成人期での再手術も行っております。埼玉医科大学開学以来、小児心臓外科は心臓血管外科内の1チームとして診療を重ね、その疾患の特殊性から平成16年に診療科として独立し、平成19年4月国際医療センターへ移転しました。 設備の整った国際医療センターに移ってからは小児心臓疾患対象のICUも備え、手術症例数も著しく増加しております。埼玉医科大学国際医療センターは小児心臓外科が独立した診療科として存在する国内でも数少ない大学病院です。 当院小児心臓科は胎児心臓超音波検査を積極的に行っており、胎児期に先天性心疾患と診断された患児に対して出生直後より根治術まで計画的な治療を行っております。 従って重症複雑心奇形の手術の占める割合が高いのが当院の特徴です。段階的手術が必要な複雑心奇形に対しては小児心臓科のカテーテルインターベンションチームの協力を得て、カテーテル治療と手術を組み合わせたハイブリッド治療にも積極的に取り組んでいます。 また心房中隔欠損孔(成人を含む)のカテーテルによる閉鎖術を積極的に施行していますが、カテーテル治療の対象外と判断された患者様は、当科にて外科的治療を希望される方も多く、成人期の心房中隔欠損症の症例数が多いのも当科の特徴です。 小児期の重症心不全症例(拡張型心筋症など)への補助人工心臓(LVAD)治療も積極的に行っており、当科(重症心不全治療部門と合同)では15歳以下の小児重症心不全5症例(3歳-15歳)にLVADを装着した経験を持ちます。 3歳のLVAD装着例は国内最年少症例です。また近年注目を集めている幼少期に先天性心疾患の手術を受けたのち成人となった患者さんたち、GUCH (Grown Up Congenital Heart patient)に対する再手術も増えています。 以上の様に後期研修医にとって執刀例を含め、充実した修練を可能とする豊富な症例が当院にはあります。サブスペシャリティーの中のサブスペシャリティーともいえる非常に専門性に特化した小児心臓外科ですが、国内でもこれに携わる外科医の数は限られており、これから小児心臓外科医を目指して研修を受けようとする若い医師にとってはチャンスであるとも言えます。 ぜひ小児心臓外科として診療科が独立している埼玉医科大学での研修を考えてみてください。 |
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後期研修のスケジュール
小児心臓外科を研修する後期研修プログラムは二通りあります。成人心臓外科と協力して行っている共同プログラム (A)と最初から小児心臓外科の研修を行いたいと希望する場合のプログラム(B)をどちらでも選択できます。どちらも心臓血管外科の全領域をカバーできるプログラムとなっています。またどちらも一般外科その他の研修が含まれており、研修期間中に外科専門医予備試験を受験し、3年間の研修後に外科専門医の資格を取得できるように設定されています。外科専門医取得後は、小児心臓外科フェローコースに進み、最短で医師免許取得後7年目終了時には心臓血管外科専門医の資格が取得することができます。その後も当科の医局に在籍し、小児心臓外科医として更に専門的な研修を継続することも可能です。 | |
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“到達目標”
心臓血管外科全般と一般外科その他外科専門医取得に必要な診療科で研修を行い、外科専門医と心臓血管外科専門医の取得を目的とします。 |
卒後5年目の臨床到達目標
初期研修終了後、最初の2年間で外科医として必要な基礎的な技能、知識、態度を蓄積し、3年目(卒後5年目)に外科専門医を取得します。成人心臓血管外科の研修も併せて行い、心臓外科医として必要な基本的な技能、知識、態度を習得します。多くの小児心臓外科手術に参加し、小児開心術後の特殊な血行動態を理解し、術後管理を指導医(チーフフェロー)の指導下にできるようになります。 |
卒後5年目以降の臨床到達目標
外科専門医取得後は、2年間フェローを経験します。開心術の第一助手を多く経験した後、ASD,VSD(I型)閉鎖術などの術者となり、小児心臓外科手術の基本手技を習得します。術後管理を自分が主体となり行えるようになります。次のステップとしてチーフフェローとなります。複雑先天性心疾患の手術で第一助手を経験し、多くの手術の術者となり卒後7年目以降に心臓血管外科専門医を取得することが目標となります。併せて指導医として術後管理を含めた研修医の指導を行います。また研修期間を通じて多くの学会活動(地方会、総会、国際学会)および原著論文作成などを行います。 |